来年度の防衛予算案、過去最大の5.1兆円 3次補正でミサイル防衛
[ロイター] - 政府は22日の閣議で、過去最大の5兆1251億円となる2017年度防衛予算案を決定しました。南西諸島の防衛力を強化するため5年連続で積み増します。前年比の伸び率は1.4%。同時に決定した16年度3次補正予算案には、弾道ミサイルへの迎撃態勢を整えることを柱に、1769億円を計上しました。
(写真:Wall Street Journal)
来年度は5年間の中期防衛力整備計画の4年目です。島しょ部で制海権、制空権を確保するため、長時間の潜航が可能なリチウムイオン電池搭載の新型潜水艦を建造します。5年間で28機を取得予定のステルス戦闘機F35は、新たに6機を契約して22機まで増やし、青森県の三沢基地に飛行隊を編成します。
沖縄県宮古島と鹿児島県奄美大島には、陸上部隊を配備するための基地を新設します。射程距離を伸ばした地対艦ミサイルの開発にも乗り出します。また、島への上陸作戦が可能な水陸機動団を編成します。
朝鮮民主主義人民共和国の弾道ミサイルをにらみ、今年8月の概算要求時に盛り込んだ迎撃ミサイル「PAC3」の改良は、16年度3次補正に前倒しました。射程や速度の向上したミサイルの配備時期が、2020年度から2019年度に早まる見込みです。
新型迎撃ミサイルの導入に向けた研究も、予算を積み増して加速します。候補に上がっているのは、在韓米軍が配備を進める「THAAD(サード)」と、イージス艦発射型ミサイルを地上に配備する「イージス・アショア」です。日本列島にどう配備すれば効果的かを模擬実験で検証します。